ニューズレター（発行：大阪商工会議所）に掲載されました！！

○放置竹林の竹繊維を使ってエコ食器を開発した、学校給食器メーカー

株式会社岩本金属製作所（所在地：平野区加美北3-10-5）は、昭和30年創業、業暦54年のアルミ製、学校給食用食器・レトルト食品製造用食器メ―カー。（学校給食用アルミ備品メーカーとしては、全国３社のうちの１社。）同社はプレス加工・ヘラ押し加工・組み立て・溶接等、すべてのアルミ加工技術を有しており、一貫製造体制と優れた職人技、技術力、提案力を誇っている。
しかし、主力の学校給食用アルミ食器などは、児童数減少、価格下落などにより、年々市場が縮小する難しい局面を迎えていた。そこで、岩本社長は環境にやさしい素材かつ、未利用素材の有効利用として、竹害とも言われる、放置竹林の活用を検討。大学や公的研究機関とも連携して研究をスタートし、５年の年月を費やして竹素材を使用した給食用食器を開発した。
平成19年４月には、環境配慮型学校給食用備品の開発並びに事業化により経営革新計画の承認を受け、平成20年11月には放置竹林活用施策を展開していた、福岡県立花町との提携により、実際に小中学校の現場で給食用モニターも開始された。
竹食器は51％以上の竹素材で強化されたＰＬＡ（植物由来樹脂）材で製造される。製品は軽量かつ、人体に有毒な化学物質は内包されていないので、児童にとっても安全な食器であり、廃棄時にＣＯ２削減効果もある。
モニターで使用した生徒からも、「竹食器は軽くて割れにくい。ご飯粒もくっ付きにくいので、行儀よく食べられる」と大好評だ。　　　　　　
岩本社長は「当社のような町工場にとって、開発は大変でした。しかし、これは学校給食用食器としては初めての環境配慮型食器で、“京都議定書”にも準じています。竹食器は福岡県で採用されたが、地元大阪を始め全国の学校給食用食器に採用されれば、教育の現場から環境保全に一層貢献することができます」と、語っている。環境にやさしい竹食器を中心に、将来の展開が期待される企業だ。（東住吉・平野支部）