地産地消を強みに～農家と店舗を繋げる～

　廿日市では、佐伯や吉和など山間部の小規模農家が多く、物流や販路開拓が課題となっている。地域の産物に興味を示す飲食店や小売店は確実に増えているが、情報不足や物流の問題で入手できないケースが多い。農家としても、生産に費やす手間を割いてまで、細かなニーズに対応することは難しく、市場などへ一括販売するほかないのが現状である。松本さんはそこに着目し、起業に至った。
「そういった農家の商品供給情報を、インターネット上の売買システム（下図参照）に登録します。そのリストを飲食店・小売店の方が見て、ネットで注文、翌日に一括集荷し、配送するという仕組みです。受注があった分だけ仕入れるので、在庫ロスはありません。廿日市市の地理・収穫物・マーケットの実情などに合わせて運用していく予定です。特に農家と密に連携を図りながら、大手流通企業では真似できないきめ細やかなマッチングと、地産地消の強みを活かした地域ならではのビジネスモデルを構築します。」

　　松本さんは現在５軒の農家と提携し野菜を仕入れている。収穫期になると、20種類以上の品揃えとなる。
「農家さんには、販路が増えて良かったと言われています。商品ロスが減ったことや、納品の手間が少なくなった分、畑での作業時間が増えて、作業に集中できるそうです。もっと扱うを量を増やしていきたいですし、農家の方からも期待されています。」