犬・猫の低アルブミン血症とは?症状と対処をやさしく解説

低アルブミン血症とは、血液中の主要なたんぱく質「アルブミン」が基準よりも低い状態を指し、特に犬では比較的よく見られる一方、猫では稀です。
発症にはいくつかの原因があります。まず、アルブミンが作られる肝臓の機能が低下していると、この状態が起こります。そして、正常な生産があるにもかかわらず血中濃度が下がる場合、体のどこかでアルブミンが漏れている可能性があります。その漏れは、出血、腎臓からの漏出、腸管からの漏出、という三つの経路が主です。
「出血」では、明らかな外傷だけでなく、体内(消化管や胸・腹・心嚢腔など)で見えにくい場所への出血もあり得ます。「尿からの漏出」は、いわゆる腎性のたんぱく漏出で、ネフローゼ症候群に似た状態として現れることがあります。「腸管からの漏出」は、腸の炎症や消化器系の腫瘍、リンパ管拡張などによって、消化吸収の逆に組織液ごとアルブミンが漏れ出す状態です。
猫では、慢性炎症や腎疾患によるたんぱく尿、点滴・皮下補液の影響による値の変動などが関連しています。
また、輸液による血液の希釈という「見せかけの低下」もあり、実際に病的かどうかは慎重な判断が必要です。
この状態では、むくみ(浮腫)や腹水・胸水の貯留だけでなく、血栓症や急激な状態変化などのリスクもあります。中には完治が難しく、長期的な管理が必要な疾患もあるため、しっかりと経過を把握し、適切にコントロールしていくことが重要です。
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企業情報
- 企業名
- しらい動物病院 (事業所概要詳細)
- 所在地
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千葉県佐倉市