福島復興支援企業間コラボで食の安全を世界へ発信

福島復興支援企業間コラボで食の安全を世界へ発信

 福島県のご当地スイーツ「しのぶ 柚子の故里」は、国産小麦と花柚子を使用した香り高いパウンドケーキ。福島県に本社を持つ創業60年以上の老舗メーカー銀嶺食品工業㈱が1987年に開発し、地元手みやげとして人気の商品で、広島でいう「もみじ饅頭」のような存在。東日本大震災・原発事故により原料の花柚子が入手困難となり、風評被害が更なる追い打ちをかけた。
 喜勝印刷㈱代表取締役社長 久保和久氏が東京で取締役を務める菓子店「銀座みもざ館」㈱シーナインコンフェクショナリの代表取締役 岡崎慎司氏(兼 銀嶺食品工業㈱代表取締役)からこの窮地を知り、久保社長が築いてきた人とのつながりで、老舗メーカーの再建に着手。花柚子の仕入先を探しに奔走するも確保できず、自分たちで作ることに。花柚子の生産、加工を確立するため共同出資による「西日本三光共同農園㈱」を設立し、喜勝印刷社屋の裏山を農園とするため、久保社長を始め従業員、農園を立ち上げた仲間の協力で、いちから山を開拓。

  廃棄された木製の電柱を再利用して、山の急斜面に手づくりの階段を設置し、山頂の土壌を整え、花柚子の苗を植樹した。木が密集しすぎると十分に根が張れず、土砂崩れの原因になるため、一本一本伐採して丁寧に山の斜面の間引きをおこなう。
 久保社長は紙を扱う印刷会社として、自然との共存に高い意識を持ち、伐採した木は、1~2年かけて乾燥させて業者にペレット燃料に加工してもらい、ペレットを燃やした灰は、再び山へ撒くという環境へ配慮した循環型の取り組みを行っている。山を良い環境に保ち、無農薬にこだわって自然の中でたくましい柚子を育てている。
 「企業家として、自分ができる支援を考えた時に、働き場所を無くした方も多いので、一時的な金銭よりも、長い目で見て雇用につながる事業をして、自分たちで収入を得て生活できる環境を作るという支援をしてきたいと思いました。」と久保社長は話す。
 こうして再出発した「しのぶ 柚子の故里」が、国際的食品品評会2014年度モンドセレクション最高金賞を受賞した。震災後、被災地初の受賞で、福島の食の安全を世界に発信する足がかりとなった。

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喜勝印刷(株)事業所概要詳細
所在地

広島県廿日市市