ヘラ絞りで地域に貢献！～部品１個から職場体験まで請け負います

吉持製作所は、生野区で創業47年のヘラ絞り加工業者である。ヘラ絞り加工とは、陶芸の「ろくろ」のように、アルミニウム等の金属の円板を回転させながらへら状の工具を押し当てることにより円錐形に加工する回転成形法(塑性加工の一種)である。金型代が安いことから多品種少量生産に向いており、給食用のバケツ、照明器具用の傘から各種機械部品まで、多種多様な製品(部品)を加工している。元々パナソニック系の照明部品を大量に下請生産していたが、販売先の海外移転により受注が激減したことから、10年前に自社ホームページを制作し、現在ではネット経由でほぼ全国から様々な製品や部品の受注を得ている。デザイナーとも協力し、オリジナル製品の開発も手がけ、アルミニウムだけでなく鉄やステンレス、銅の加工も行えるのが当社の強み。
色々な取り組みの中、デザイナーや近隣の学校からヘラ絞りを体験させてほしいとの声を受けるようになり、約10年前から職場体験としてヘラ絞り体験を行っている。大池中学や生野工業高校の生徒が毎年参加するようになり、参加者は300名を越えている。職場体験を開始した頃、生野工業高校の生徒さんで全くしゃべらなかった子が、同社の職場体験で自信をつけ、翌年の春の倶楽部の発表会で堂々と発表をするようになったことがあり、小さな町工場でも、若い人達の成長を促し、地域に役立つ存在になっていることが、吉持代表自身の喜びになり、モチベーションと使命感の源泉になっている。（東支部）
（※ニューズレター284号（発行：大阪商工会議所）より抜粋）