設計は国内（自社）、量産は国内と中国を戦略的に使いわけることで成長を続ける企業

ジェイシーネット株式会社は、電子機器・ソフトウエアの開発・設計・製造・販売の会社である。永年培った技術やノウハウ、最先端で価格競争力のある電子部品を採用することにより、顧客の信頼を築き成長してきた。
同社の強みは、全て社内（日本国内）で設計を行うこと。そして、価格競争力が必要な製品に関しては日本で品質管理を行った上で、中国工場（シンセン,上海）で生産を行う一方、多機能や高付加価値が求められる製品においては国内で製造するなど、製造拠点の使い分けを戦略的に実践していることにある。
同社の主力事業は電子機器の設計・製造・販売(得意先仕様に合わせたＣＰＵボードの応用製品をＯＥＭ/ＯＤＭ供給)であるが、第２の事業の柱としてＬＥＤ関連事業を立ち上げた。具体的には看板資材用のＬＥＤチャネルモジュール、シートＬＥＤから一般電球、店舗用スポットライトにいたるＬＥＤ搭載の商品を設計、製造、販売を行っている。後発メーカーながら、ＬＥＤ電球では弊社設計→中国での現地生産→ＯＥＭブランドでの展開により価格競争力をつけ、徐々に業界内に浸透しつつある。
さらに同社の設計仕様に合わせた製品を新規に開発、量産の準備をしている製品群が数多くある。例えばＴ８-ＬＥＤ直管ＬＥＤ蛍光灯では、安心設計で格安の製品を開発することに成功し、サンプルを出荷している。そしてＬＥＤ実装基板から、レンズ、アルミ放熱フィン、口金モールドに至るまで、スポットＬＥＤ電球を構成する部材を中国で格安に製造・調達し供給を開始している。
社長に今後の抱負について尋ねると「弊社は日本で培ってきた技術がある。中国においても日本設計品質を現地調達製品に変更をかけた上で、技術を持って中国工場を使う。安全・安心設計のベースにより信頼のある製品作りを行なって行きたい。」と熱く語っている姿が印象的だった。（此花・西・港支部）
（※ニューズレター250号（発行：大阪商工会議所）より抜粋）